WE PROPOSE A DESIGN FOR THE LIFESTYLE
THAT REPRESENTS THEIR OWN VALUES.
暖かく柔らかな場所
2014年01月30日

diary-1

「死者に対してできる唯一のことは、その人を忘れない事だ。」

僕の好きな作家がとあるエッセイで言っていた言葉を
ずっと覚えています。全くその通りだよな、と。

これは亡くなった人だけではなく、
いつか別れてしまった恋人や友人、学校の先生や両親など
いろんなことに勿論言えることだと思います。
これは簡単なようで意外と難しい。
特に嫌な出来事などは出来るだけ忘れてしまいたいものだし、
たとえ楽しく美しい思い出でも、時間と共に忘れてしまいがちです。
現実のあれこれを日々こなしている身にとっては
いちいち思い出している暇なんてないかもしれません。

それでもやっぱり心の何処かに、暖かい思い出や
柔らかい手触りの記憶がある場所を持っていたいし
できる限りその場所のことを忘れないようにしたい。

僕のしているデザインという仕事も
もしかしたらそういった暖かい場所を呼び起こすような
ツールになるかもしれないし、
またそうあって欲しいと思いながら
画面とにらめっこしています。

いつも元気な愛犬の頭を撫でながら、
いつかこいつとも別れる日がくるのかな、と思いながら
書いてます。

一目惚れの効用
2014年01月19日

diary-2

突然ですが、あなたは何かを決断する時、
物事を入念にリサーチするタイプですか?
それとも直感を大事にするタイプですか?

僕はどちらかと言えば後者です。
正しく言えば直感を信じるようになった。
どちらがいいわるいなんて決められるものでは
もちろんないですが。

何故、直感を信じるようになったか?
それは走るようになったからだと思います。
走ることって自分自身がやった分だけ
きっちり跳ね返ってきます。
要するに自分の身体に染み込ませないと
長い距離は走られない。ほんとに。
そういう身体との対話のような繰り返しのなかで、
理屈ではなくて、自分の身体や気持をもっと信頼したいと
何か意識改革が起こったように
直感で物事を決めていいんだと強く感じたわけです。
別にスピリチュアルな話ではなくて
強い実感としてそう思います。

それから何事も最終的に直感で決めています。
仕事も買い物も旅行も、投票だって直感です。
それで案外いいんじゃないか、と勝手に思っています。
自分のことをもっと信用してもいいんじゃないか?と。

振り返ってみると、僕の場合プレゼンなんかも
ガチガチに理論で制作するとまず駄目な事が多いです。
それよりも、ほころびは多いけどこれがいい!というものが
気に入られたりするから不思議です。
単純な好き嫌いじゃなく、動物的な本能のようなものって
結構馬鹿に出来ない気がします。

考えてみれば、ツマと付き合い結婚したのも
僕の一方的な直感でした。
それで上手く行ったのかって?

…それは言わぬが花でしょう。

音楽とデザインの空気
2014年01月13日

diary-4

僕は音楽が好きで、出来るだけ当時のフォーマットで、
つまりレコードがまだ流通していた頃のものは
レコードで購入するようにしています。
逆にいえばCDが主流になった頃、90年代以降のものは
CDで構わないというスタンスで音楽を楽しんでいます。

何が何でもレコードで、というわけでもないし
かと言って全ての音楽をiPodに入れたいとも思いません。
僕にとって一番大事なのは、発売された当時の空気感を
一番感じられるものである、ということみたいです。

デザインの仕事をしていると、よくモノとして残るようにとか、
手の温もりが大事とかよく言われます。
例えるとレコードが一番心に響く音なんだ、
ということでしょうか。

もちろん、そういったものも大事ですが、
僕としては音楽と同じように、
時代の空気感を大事にしたいといつも思っています。
フォーマットや趣味嗜好はあまり関係ないです。
一言でいえば、遠くまで見渡せるような
背筋が伸びた雰囲気あるデザイン。
ちょうどこのホームページの背景写真のような。

活版印刷でもウェブでもフリーペーパーでも電子書籍でも
そういったシャンとしたものを作りたいと思って
毎日コツコツやっています。