life
WE PROPOSE A DESIGN FOR THE LIFESTYLE
THAT REPRESENTS THEIR OWN VALUES.
If you want people to listen, stop talking.
2017年07月08日

以前は敬遠していた小林信彦のエッセイをまとめて読んでいます。

・・・おもしろい。
おじさんが文春で読むようなものだと思っていたのに。

自身の認めたもの以外を受け入れない姿勢みたいなものが
昔はよく分からなかったのですが(要するに嫌いだった)、
自分の器が大きくなったのか、はたまた趣味が合うようになったのか、
なんだかしっくりくる部分が多いです。
自分もおじさんになったとは思いたくないですが。

確かに偏屈で保守的な(特に芸能に関して)部分もありますが
語られるトーンはユーモアがあって声高ではない。
いろいろ言われることも多そうですが
権力をかざしている人ではないんでしょうね。

こういった昔は避けていた人たちを見直そうと思っているのも
SNSで毎日飽きもせず世界にけんか売っているような
声だけ大きい人たちにうんざりしている反動かもしれません。

Strange things will be standards someday.
2015年10月11日

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先日、京都で開催されている「マグリット展」へ行ってきました。
そろそろ紅葉も始まるので、できるだけ人混みを避けて
平日にバスにも乗らず、四条からトコトコ歩いて行ってきました。
会場は思ったほど人もいなくてすいすいと見ることができました。
(どれだけ人混みがイヤなんだ、俺)

黒い帽子を被って出かけたので意図せずマグリットの絵画モチーフとして
よく出てくる人物のコスプレみたいになってしまって
会場のスタッフにツッコミを入れられるところでした。
(どれだけ人と拘わりたくないんだ、俺)

説明するまでもなく、マグリットは所謂シュルレアリスムの画家ですが
その影響はポップアートからグラフィックアート、音楽、小説の世界まで広く及んでいます。

今こうやって回顧展としてずらっと見てみると、
当時はアヴァンギャルドで異彩を放っていただろう作品たちが
ポップだしわかりやすいし少し物足りない気がしました。
それだけ当時衝撃的だとされていたものが
今では普遍的なものとして受け入れられている証拠でしょう。
当時は衝撃的だったビートルズの楽曲が、今ではロックの金字塔であるように。
残念なことに僕は当時のことを想像するしかないのですが。

しかしなにより僕にとって衝撃的だったのは
中学生の時に教科書に載っていたマグリットの絵を切り取って
下敷きに挟んでいるくらい好きだった、という
一緒に行ったツマの告白でした。
(どれだけマグリットが好きだったんだ、君)

港町ポリフォニー2015へ行ってきました
2015年09月13日

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先日、数年前から神戸KIITOで行われているライブイベント、
「港町ポリフォニー」へ念願叶って(?)今年初めて行くことができました。
当日は生憎の雨でしたが、屋内でのライブイベントだったのと
会場はライブだけではなくフードマーケットやワークショップなど
イベントも盛りだくさんで一日中楽しく過ごすことができました。

イベント自体も自分たちでモノ作りをしていくんだというような
雰囲気があってとてもよかったです。
ライブも好きなアーティストばかりが出演していて
頭からしっぽまでおなかいっぱいでした。ほんと満足。

しかしフェス形式のライブはアーティストの底力というか
ポテンシャルが本当によくわかりますね。
特にトクマルシューゴのライブは
会場にいた人はみんなに彼にもっていかれたんじゃないかというくらい
ちょっと気合いが入っていたライブでした。
続くトリの二階堂和美もいつもの自由な感じで(笑)最高でした。
個人的には杉瀬陽子の「ルーシー」を聴けてうれしかったです。
好きなんだよなー、この曲。

We will always study local.
2015年09月07日

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8月中旬に夏休みをいただいて高松と直島に行ってきました。
直島に行くのはかれこれ4〜5回目です。
直島は今ではアートで有名になりましたが、初めて訪れたときは
地中美術館もなく、食事もするのも大変な(食堂やカフェがまったくない!)島でしたが
今ではコンビニまでできて、とても便利になりました。

香川県は瀬戸内芸術祭の影響でアートのイメージが強いかもしれませんが
それ以上に名建築が多いことでも有名で
丹下健三が設計、壁画を猪熊弦一郎が担当した香川県庁東館をはじめ、
いわずもがなイサムノグチ庭園、秋山邦晴が設計した石のスピーカーがある城の眼、
大高正人の坂出人口土地、色んな老舗喫茶店で見ることができる桜製作所の家具、
そして安藤忠雄設計のベネッセミュージアムなど
骨太で伸びやかな建築や家具を多く見ることができました。

こういった場所で実際に建築物に触れると
その当時の建築家の多大なチャレンジ精神と反骨心を感じることができます。
当時は一般の人たちから奇異の目で見られたであろうこれらの建築が
今もなお残って愛されていることに感動します。

建築は使う人や住む人に合わせる必要がある一方で
それらの人たちの意識や生き方を変える力をもっているはずです。
つまり人が建築物にあわせることで
人生だって変わるような生き方ができるかもしれない。

旅で見た建築たちは静かにそう語っているようにも思えました。

Have a nice summer vacation!
2015年08月16日

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暑い日が続きますね。
毎日の自転車でのジム通いも
それ自体がトレーニングになってしまっています。

しかし体脂肪って落ちないですね。
僕はみかけによらず体脂肪率が高いので(隠れ肥満と言うそうですが)
数値を言うと結構びっくりされます。
好きなミュージシャンやアーティストが
歳をとるにつれて太ったり腹が出たりするのを目にするたびに
身を引き締める自分です。

…ということで今週の教訓。
「なりたい自分よりもなりたくない自分を明確に持つ」

話変わって8月19日から23日まで夏期休業をいただきます。
期間中の連絡対応は行えませんので
何卒ご了承下さい。

夏期休業中は島に行ってきます。ちょうど写真のようなアートの島です。
8月は我が家では結婚記念日、妻誕生日、犬誕生日など
記念日続きで家族サービスがホント大変です、って
まあいつもまとめてやっちゃうんですが。

それではよい夏休みを。
Have a nice summer vacation!

All Things Must Pass
2015年08月09日

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昨日は念願のヴォルフガング・ティルマンス展へ行ってきました。
ティルマンス展は約11年ぶりの日本での開催(しかも大阪のみ)ということで
どうしても観たかったのです。
ちょうど大阪、神戸共に花火大会の日ということもあって
街中には浴衣姿の人たちがたくさん溢れていました。

暑い中、ひいひい言いながら美術館に到着して
息も整えずに大量の写真を一度に観たせいか
それとも彼の写真が持つリアルさ、批評性、雑多性などの毒気(のようなもの)を
浴び過ぎたせいなのか、会場の最後の方には目眩がして
一度休憩しないと鑑賞できない状態になってしまいました。

ティルマンスといえば90年代を青春時代として過ごした
僕のようなサブカルチャー好きにはまさに神のようなフォトグラファーで
影響を受けた人も数知れずいると思います。
ただこうして青春時代を過ぎて、当時を振り返るように作品を観ると
また違った意味で胸がざわつくのを覚えました。

時は過ぎる、しかし忘れられない事もあるということなんでしょうか。
久々にCONTAX T3をもって街に出かけようと思います。

音楽でいえばイーグルス
2015年08月02日

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8月に入って本格的に暑くなってきました。
燃えますっ(夏大好き)。
愛犬はだらけきっています(夏大嫌い)。

突然ですが、7月に読んだ本。

滴り落ちる時計たちの波紋/平野啓一郎
人間の尊厳と800メートル/深水黎一郎
コップとコッペパンとペン/福永信
キルリアン/藤沢周
祈望/藤崎慎吾
おがたQ、という女/藤谷治
彼女の部屋/藤野千夜
理由はいらない/藤田宜永
クレーターと巨乳/藤代冥沙
アイネクライネナハトムジーク/伊坂幸太郎
不思議というには地味な話/近藤聡乃
村上さんのところ/村上春樹
忘れられた巨人/カズオイシグロ

リストをみて、おや?と思ったカンのいい人もいるかもしれませんが、
僕はライフワークとして「図書館で読んだことない作家をA-Zで借りていく」という
地味なことをしています。
今は「は行」あたりを読んでいるのでこんな感じになってます。
あとは新刊とか妻が借りてきた本をちょこちょこ読んだり。
大体月10〜15冊ペースです。

こんなことをやっていると「ハズレ」のほうが
圧倒的に多いんですけど、このハズレの蓄積が
確実に本を正しく評価する力を養うことになります(と思う)。

今月読んだものでは藤田治と深水黎一郎がとてもよかった。
村上春樹、カズオイシグロは僕にとっては音楽でいえば
ビートルズやビーチ・ボーイズみたいなクラシックな座標的存在なので
なにが出ても楽しめるというか、出してくれるだけでありがたい。

あとなぜか「伊坂幸太郎好きですか?」とよく聞かれるんですけどなんでだろう?
全作品は読んでないですけど1/3位は読んでるふつうのファン、
ぐらいの立ち位置だと思います。
彼は音楽でいえばイーグルスとかシカゴとかにちかい存在です。
あくまで僕にとってはですが。

やっぱり小説を読むっていいですよね。
自分の感性を広げ、息を潜めて意識の奥深く潜っていく体験は
小説に勝るものはないと思っています。

The Inner Kingdom of the heart
2015年07月26日

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先日楽しみにしていた「舟越桂展」に行ってきました。
暑い中、県立美術館は多くの人で賑わっていました。
いつきても素敵な建物ですね、さすが安藤忠雄。

で、舟越桂展ですが、舟越桂といえば
天童荒太のブックカバーなどで印象的な
彫刻作家というイメージが強いのかと思います。

静謐さと異形さを兼ね備えた彫刻。
どこを見ているのかわからない眼。
なにかを諦めてしまったような、
いまにも爆発しそうな魂をかかえているような
不安な表情。

今回の展示は文字通り目と鼻の先まで近づいて
作品を鑑賞することができ、
もう一人の自分と対峙しているような
不思議な錯覚に陥りました。

おそらく多くの訪れていた人たちも
それぞれの作品に自己を投影し、
自分の内面を暴かれたような
気持ちになったに違いありません。

僕はひとつひとつの作品を近づいて鑑賞した後に
一度全体を見渡すように会場を見てみたのですが、
1つの作品を見るのには一人で対峙するようになるので
そのひとつひとつの作品を見ている人たちから
それぞれの感情が立ち上がるような
風景をみることができました。

改めて人間1人一人というのはそれぞれの人生があって
心に抱いている気持ちがあるのだなと感じました。
当たり前で陳腐なことかもしれませんが、
実際に肌を通じて感じることはやっぱり大事です。

僕は無神論者ですが、
心の中の王国という考えはわりに好きです。
もっと自分の心の王国に耳を澄ませ、と
舟越桂の作品は問いかけているようにも思えました。

自分の心の王国に耳を澄ませたことがありますか?

You may dream
2015年07月18日

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先日までの台風もようやく落ち着いて
神戸は晴れ間が見えてきました。
連休の始まり、夏休みの幕開けには最高のシチュエーションです。

夏の始まりを告げる我が家の風物詩として「祇園祭」があります。
といっても京都のそれではなく神戸の「祇園祭」です。
平清盛が京都から福原に遷都したことの名残なのでしょうが、
我が町にも「祇園神社」があり、屋台がすらっと並びます。
まあそれだけなんですが、なかなか屋台にもレトロな味わいがあって
我が家から徒歩5分でいけることもあって毎年楽しみにしています。

しかし4、5年前まではスマートボールやままごとセットの屋台など
昭和の雰囲気がたくさんあったのに、
最近ではからあげ、たこやき、フライドポテトの屋台ばっかりで
ちょっとちがうんじゃないか?といいたいです。
がんばれ、裏・祇園祭。

夏の祭りの思い出というのは甘酸っぱいものから切ないものまで
だれでもひとつやふたつは持っているものだと思います。
夢見るような思い出を(甘くも辛くも)作るには
お祭りというのは最高ですよね。
がんばれ、恋人たち。

ということで今年も無事「裏・祇園祭」を詣でて
我が家では今日から「夏宣言」されました。
僕の一番好きな季節です。

「あちーあちー」いいながら楽しみましょう!