CASES
The secret of simplicty
少し前のことですが、伊丹市立美術館で開催されていた「ディック・ブルーナ展」に行ってきました。正直なところ、彼の企画展には過去に何度も行っていたこともあって足が重かったのですが、会場に到着すると伊丹市立美術館の和風な外観とディック・ブルーナ展のモダンな看板のミスマッチ加減がとてもクールでテンションが上がってしまいました。

さて、ディック・ブルーナと聞いて、みなさんはなにを思い浮かべるでしょうか?おそらく多くの方はミッフィーの絵本作家といった答えをされるのではないかと思います。しかし、彼にはグラフィクデザイナーという一面もあり、彼のキャリアはポスターやブックデザインをすることから始まっています。今回の企画展は、そういった彼のデザイナーとしての側面に焦点を当て、特に「ブラックベアシリーズ」というミステリーペーパーバックの装丁デザインを中心として展示されていました。

彼のデザインの特徴は、無駄をできるだけ削ぎ落とし、色使いや配置の仕方など計算された、お手本のようなデザインというのがデザイナーの共通認識だと思います。ただ、ディック・ブルーナがデザイナーとして素晴らしい点はそういったところではなく、彼がデザイナーとしての「意志」のようなものを一貫して自身の作品に投影し続けたことだと僕は思っています。かわいらしいイラストや楽しい色使いの中にも、ちょっとしたユーモア、政治や権力に対する反抗心、優しいものに向ける眼差しなどを感じることができます。そこに彼のデザイナーとして譲れないものを感じて、また同時に僕に語りかけてくるように感じるのです。君はどうなんだ?と。

展示の最後には、ディック・ブルーナの死後に公表された最後の絵本(残念ながら出版の予定はないようです)が展示されていました。彼自身の人生を投影したような生と死に触れた、とても心打たれる絵本でした。彼のような偉大なデザイナーになれるわけではないですが、僕もデザイナーとして少しでも人に語りかけるような仕事ができるように、志だけは持ち続けたいと思います。

少し前のことですが、伊丹市立美術館で開催されていた「ディック・ブルーナ展」に行ってきました。正直なところ、彼の企画展には過去に何度も行っていたこともあって足が重かったのですが、会場に到着すると伊丹市立美術館の和風な外観と […]

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