exhibition
WE PROPOSE A DESIGN FOR THE LIFESTYLE
THAT REPRESENTS THEIR OWN VALUES.
Don’t trust everything you see.
2017年09月16日

先日、神戸KIITOで開催されている「ロバート・フランク展」へ行ってきました。

ロバート・フランクといえば、写真が好きな方なら、まず「The Americans」が頭に浮かぶのでしょうが、僕のような音楽好きにとってはローリング・ストーンズの曰く付きドキュメンタリー「コックサッカー・ブルース」(会場でも映像が流れていました)の監督といったほうがピンとくるのではないかと思います。

会場は、オリジナルプリントは破格の貸出金+保険金がかかるため、本人の意向で、あえてタブロイド紙に写真をプリントし、天井からぶら下げるだけ、という展示方法が取られており、市井の目線から撮影された彼の写真のように、その大胆な展示方法にまず目を奪われます。会場にはロバート・フランクのアーカイブがズラッと並び、京都で開催されている「マグナム展」ともリンクするところも多いです。

僕は昔からビートニクスを感じる彼の作風がとても好きです。写真から社会的背景を考察されるのと同時に、当時の音楽やカルチャーを強く感じることができます。個人的には、近年のスナップショットのような写真一連が気に入っています。

最後に。この展示の図録は素晴らしいです。
これはぜひ買うべきです。

A picture of patience
2017年08月20日

先日、大阪国立国際美術館で行われている「バベルの塔」展へ行ってきました。
ブリューゲルの作品はもちろんのこと、その時代(16世紀ネーデルランド)の
ヒエロニムス・ボスをはじめとする画家たちを時系列でとらえた展示でした。
副音声などなくても、パネルでの説明や流れなどしっかりしていて
とてもわかり易かったです。

じつは妻が宗教画や奇想画といったものが好きで
門外漢の僕は連れられていったようなところがあったのですが
繊細な書き込みや想像力には圧倒的されてしまいました。
これらが16世紀に書かれていたとは信じがたいです。

展示の最後にはもちろんラスボス「バベルの塔」が待ち構えているわけですが、
それと一緒に原画(B2くらいのサイズ)の拡大版も展示されています。
この拡大版を制作するにあたって3DCGを使用したらしいのですが
テクノロジーと古典作品って相性がとてもいいですね。
改めてそう思いました。
3DCG制作風景の動画も一緒にあるのでぜひ見てほしいです。

あとグッズ関連がとてもよかったです。
これは購入した活版印刷のポストカード。
ブリューゲルの作品「Patience(忍耐)」から抜き取られた
鳥のキャラです。かっ、かわいい。。

忍耐、机の前に飾っています。

The future with my dog
2017年08月06日

先日、神戸 iiba galleryで行われた
「濱田英明 写真展 / ONE DAY」へ行ってきました。
彼が犬と飼い主の写真を撮り続けていたものをまとめた写真展。

彼の写真は日常の風景が
独自の視点で被写体に寄り添うように瑞々しく切り取られ、
やさしくあたたかい気持ちで満たされています。

と、書いておきながら、なにか違和感のようなものを感じます。
そんな簡単にいいきれるようなことでもないな、と。
いちばん大事なことを掴みきれていないんだと思うんですが
おそらくそれは言葉には言い表せないようなことなんだと思います。

おそらく濱田くんは、自分の撮りたい写真や構図がしっかりとあって
その大事なものを掴み取る努力をものすごくしているんだと思います。
才能と言ってもいいかもしれない。
そのことが言葉では言い表せないミラクルを生むんだろうな、と
代表作である「ハルとミナ」を見ていると本当にそう思います。

そういった言葉には言い表せないような写真が
僕に「ここではないどこかで僕が見たかもしれない風景」を
思い起こさせます。

犬と飼い主の風景が切り取られた今回の写真展で
僕は愛犬との未来の風景を見ていたのかもしれません。

Vinyl Change The World.
2017年07月23日

先日、大阪ナレッジキャピタルで開催された
「世界を変えたレコード展」へ行ってきました。

これはレコード好きならみんな知ってるであろう
PMC(金沢工業大学ポピュラー・ミュージック・コレクション)が主催した、
これからレコードを聴きたい人や
レコードを見たり触ったりしたことがない人へむけて、
ポピュラーミュージックの歴史を
ツアーガイド的にまとめてレコードを紹介した企画展。

展示枚数は総数5000枚、とおそらくレコード好きなら「少ないな・・」と
思う内容ですが、まあ、レコ屋にレア盤を探しに行くわけじゃないので(笑)

展示は年代毎ににレコードを紹介していくわけではなく
時代ごとの音楽的トピック(ロックの誕生、プロテストソングの台頭など)で
まとめられていました。

力の入った年表(これはすごかったです)や展示方法の面白さなど
楽しい面もたくさんだったのですが
個人的にはブラックミュージックと70年以降の重要ジャンル
(ニューウェーブ、パンク、ヒップホップ、テクノ、グランジ等々)の
レコードがほとんどなかったのがとても不満でした。
あとドーナツ(シングル)盤がほとんどなかったのもさみしかった。
ポピュラーミュージックというならドーナツ盤はちゃんとやらないと。

大抵こういった展示で「ポピュラーミュージック」がまとめられると
ソウル系はほぼ除外される気がします。それがいつも不満だな〜。
ソウルだって、れっきとした「ポピュラーミュージック」だ。

音楽って縦の歴史だけではなく、横のつながりで聴くと
とても深く理解することができます。
ロックはR&Bやソウル、ブルースの影響を受けてきたし、
ソウルの中にはゴスペルやブルースの影響がある。
ブルースとジャズは切っても切れないし、
カントリーやフォークから発展したポップスも数多くあります。
そういった面も見たかったです。

展示の最後には、レコ棚があってレコードを「さくさく」できるのですが
これは販売しているとか選んだレコードを試聴できるのではなく、
なんと「レコードを探す体験」ができるコーナーでした。
超シュールだと思いましたが、デジタル配信で音楽を聴いてきた世代には
超クールなことなんでしょうね。

写真は展示されていたザ・バンドの
サンフランシスコ ・ウインターランドでのライブポスター。
1970年代でサイケデリック全盛だったからか
フォントなどにそういった影響がありますね。
対バンは「SONS OF CHAMPLIN」と「ACE OF CUPS」。
因みにSONS OF CHAMPLINはビル・チャンプリン(元シカゴ)の在籍したバンド。
どちらもサンフランシスコを拠点としたサイケなブルース〜ファンキーなバンドです。
きっと泥臭くて熱いライブだったんでしょうね。