photograph
WE PROPOSE A DESIGN FOR THE LIFESTYLE
THAT REPRESENTS THEIR OWN VALUES.
Don’t trust everything you see.
2017年09月16日

先日、神戸KIITOで開催されている「ロバート・フランク展」へ行ってきました。

ロバート・フランクといえば、写真が好きな方なら、まず「The Americans」が頭に浮かぶのでしょうが、僕のような音楽好きにとってはローリング・ストーンズの曰く付きドキュメンタリー「コックサッカー・ブルース」(会場でも映像が流れていました)の監督といったほうがピンとくるのではないかと思います。

会場は、オリジナルプリントは破格の貸出金+保険金がかかるため、本人の意向で、あえてタブロイド紙に写真をプリントし、天井からぶら下げるだけ、という展示方法が取られており、市井の目線から撮影された彼の写真のように、その大胆な展示方法にまず目を奪われます。会場にはロバート・フランクのアーカイブがズラッと並び、京都で開催されている「マグナム展」ともリンクするところも多いです。

僕は昔からビートニクスを感じる彼の作風がとても好きです。写真から社会的背景を考察されるのと同時に、当時の音楽やカルチャーを強く感じることができます。個人的には、近年のスナップショットのような写真一連が気に入っています。

最後に。この展示の図録は素晴らしいです。
これはぜひ買うべきです。

The future with my dog
2017年08月06日

先日、神戸 iiba galleryで行われた
「濱田英明 写真展 / ONE DAY」へ行ってきました。
彼が犬と飼い主の写真を撮り続けていたものをまとめた写真展。

彼の写真は日常の風景が
独自の視点で被写体に寄り添うように瑞々しく切り取られ、
やさしくあたたかい気持ちで満たされています。

と、書いておきながら、なにか違和感のようなものを感じます。
そんな簡単にいいきれるようなことでもないな、と。
いちばん大事なことを掴みきれていないんだと思うんですが
おそらくそれは言葉には言い表せないようなことなんだと思います。

おそらく濱田くんは、自分の撮りたい写真や構図がしっかりとあって
その大事なものを掴み取る努力をものすごくしているんだと思います。
才能と言ってもいいかもしれない。
そのことが言葉では言い表せないミラクルを生むんだろうな、と
代表作である「ハルとミナ」を見ていると本当にそう思います。

そういった言葉には言い表せないような写真が
僕に「ここではないどこかで僕が見たかもしれない風景」を
思い起こさせます。

犬と飼い主の風景が切り取られた今回の写真展で
僕は愛犬との未来の風景を見ていたのかもしれません。

All Things Must Pass
2015年08月09日

150809

昨日は念願のヴォルフガング・ティルマンス展へ行ってきました。
ティルマンス展は約11年ぶりの日本での開催(しかも大阪のみ)ということで
どうしても観たかったのです。
ちょうど大阪、神戸共に花火大会の日ということもあって
街中には浴衣姿の人たちがたくさん溢れていました。

暑い中、ひいひい言いながら美術館に到着して
息も整えずに大量の写真を一度に観たせいか
それとも彼の写真が持つリアルさ、批評性、雑多性などの毒気(のようなもの)を
浴び過ぎたせいなのか、会場の最後の方には目眩がして
一度休憩しないと鑑賞できない状態になってしまいました。

ティルマンスといえば90年代を青春時代として過ごした
僕のようなサブカルチャー好きにはまさに神のようなフォトグラファーで
影響を受けた人も数知れずいると思います。
ただこうして青春時代を過ぎて、当時を振り返るように作品を観ると
また違った意味で胸がざわつくのを覚えました。

時は過ぎる、しかし忘れられない事もあるということなんでしょうか。
久々にCONTAX T3をもって街に出かけようと思います。